こんにちは、旅するたぬきです。アメリカで生活を始めると、誰もが一度は耳にする言葉があります。それが「クレジットスコア」。このスコアは、アメリカでのあなたの「信用」を数値化したもので、アパートの契約、携帯電話の契約、車の購入、そして将来的には住宅ローンなど、あらゆる生活シーンに直結します。たとえ高収入でも、クレジットスコアがないだけで信用されないのがアメリカの現実です。私自身はMBA留学を機にアメリカに渡りましたが、クレジットカードは単なる決済手段ではなく、「信頼」を得るためのツール」だと実感しました。
さらに、アメリカのクレジットカードは日本とは比べものにならないほど特典が充実しています。
この記事では、そんなアメリカでのクレジットカード体験を、実際に私が1年間で6枚のAMEXを発行・活用した体験談をもとに紹介していきます。
これからアメリカに来る方、留学や駐在で生活を始める方の参考になれば嬉しいです。
最初の一歩:ANA USA / JAL USAは必要か?
渡米直後はクレジットヒストリーがゼロ
アメリカに来たばかりの日本人が直面するのが、「クレジットカードを作りたくても、作れない」という壁。
その最大の理由は、アメリカ国内でのクレジットヒストリー(信用履歴)がゼロであること。SSN(ソーシャルセキュリティナンバー)がない、もしくは取得して間もない場合、ほとんどの銀行やカード会社から門前払いされてしまいます。
日本人に人気のANA USA / JAL USAとは?
そんな中、SSNがなくても作れる貴重な選択肢として、多くの日本人がまず選ぶのが「ANA CARD USA」や「JAL USA CARD」です。
これらは日本の航空会社と提携しているため、日本語でのサポートが充実しており安心感があるのも魅力です。
主な特徴としては以下の通りです:
- SSNなしでも申請可能(I-20やパスポートの提出で代用可能)
- 利用履歴がアメリカのクレジットスコアとして反映される
- 最初の1枚として発行されやすく、クレジットヒストリー構築のスタートに適している
ただし「還元率の低さ」「特典の少なさ」には要注意
とはいえ、注意点もあります。
これらのカードはあくまで「クレジットヒストリーのスタートライン」に立つためのカードであり、ポイント還元率はかなり低め(1%未満のことも)。
また、海外旅行保険や空港ラウンジ、提携ホテルの特典といったアメリカ発のクレジットカードが持つ魅力的な特典は、ほとんど付いていません。
私自身も、渡米後すぐにANA USAカードを発行し、約半年間このクレジットカードを使ってクレジットヒストリーを蓄積しました。
その後、スコアが一定まで伸びたタイミングで、アメックス・ゴールドとデルタ・アメックス・ゴールドの2枚を取得しました。ANA USAカードは「信用力を育てるための踏み台」として非常に役立った実感があります。
アメリカ発行カードとの比較 → 最初からAMEXを狙う選択肢もある
もちろん、状況によっては最初からアメリカ発行のカードを目指すことも可能です。
特に大学や企業に所属しており、安定収入や学生ステータスが証明できる場合、「Global Card Relationship(旧:International Student Program)」を活用すればSSNがなくてもAMEXに申し込めるケースもあります。
私のようにANA USAカードでクレジットヒストリーを構築してからAMEXにステップアップする方法は、多くの日本人にとって現実的でおすすめできるルートです。
最初の1枚の役割を正しく理解し、早めにアメリカ発行クレジットカードに移行することで、より良い特典やリワードを享受できるようになります。
SSNなしでもAMEXは作れる?私の申請戦略と体験談
SSNがない私がどうやってAMEXを通したか
「アメリカでクレジットカードを作るには、SSN(ソーシャルセキュリティナンバー)が必須」――これはよく聞く話ですが、実は例外も存在します。
私はアメリカに渡米後、しばらくSSNを保有しておらず、ANA USAカードでクレジットヒストリーを蓄積していました。
その中で挑戦したのがアメリカン・エキスプレス(AMEX)のカード取得です。
AMEXにはGlobal Card Relationshipという制度があり、SSNがなくても母国でのカード利用実績などを元にアメリカ国内のカードを発行してくれるルートがあります。
ただし、日本のAMEX実績がなくても、一定のクレジットヒストリーがアメリカ国内で形成されていれば、通常の申請で通る場合もあります。
私の場合、半年間のANA USAカード利用である程度の履歴が形成されたあと、
まずAMEX Goldを申請し、通過。続いてDelta AMEX Goldも発行できました。
この時点でもまだSSNは持っておらず、申請時の入力欄も「なし(I don’t have an SSN)」を選択。
審査には数日かかりましたが、本人確認書類や住所情報での確認だけで審査が通過しました。
つまり、SSNなしでも、戦略的に準備をすればAMEXカード取得は十分可能なのです。
なぜChase(例:Sapphire)は無理だったのか
一方、同じく人気の高いChase Sapphireシリーズは、全く異なる姿勢を取っています。
Chaseは審査が非常に保守的で、SSNがないとまず通りません。
また、クレジットスコアがしっかり形成されていても、アメリカでの居住年数や銀行口座との取引履歴を重視するため、
留学生や駐在員には厳しい壁となるのが実情です。
実際、私は渡米後しばらくしてからChase Sapphire Preferredの申請を試みましたが、SSNなしでは即却下されました。
その経験から、まずはAMEXやCapitol Oneなど比較的柔軟な会社から攻めるのが現実的だと感じました。
留学生や駐在員がやりがちなミスとその回避法
最後に、私自身の経験や周囲の日本人のケースから見えてきた「やりがちなミス」とその回避法をいくつか紹介します。
クレジットヒストリーゼロのまま、高難度クレジットカードを申請→最初はANA USA / JAL USAやセキュアカードで地道に実績づくり
SSNがないのに、SSN必須の銀行系カードに申請してしまう→ AMEXのようにSSNなし申請を公式に認めているカード会社を選ぶ
渡米直後に複数カードを一気に申請してしまう(多重申請扱い)→最初のクレジットカードを数ヶ月使ってから、段階的に申請する
私が1年間で作ったAMEX6枚とその魅力
アメリカに来てからの1年間で、私はアメリカン・エキスプレス(AMEX)ブランドのクレジットカードを6枚取得しました。それぞれに特徴があり、「生活スタイル」や「渡航目的」によって選ぶべきカードは異なりますが、作成後数カ月以内に一定額を利用することで多くのウェルカムオファーがもらえるため、それだけで年会費をペイできてしまう超お得カードたちです。
ここでは、実際に使って感じた6枚それぞれの魅力とおすすめポイントを紹介します。
AMEXグリーン:旅行・交通向けの入門カード

AMEXグリーンは、旅行関連や交通系の支出に強い入門カード。
特に【公共交通機関】【旅行予約】【サブスクリプション】などが対象で、3倍ポイント還元を受けられます。
私の場合は、Uberや空港シャトルの利用、旅行サイトでの予約などで自然とポイントが貯まりました。
Suicaも3倍ポイント還元と聞いているので、解約せずに日本に持ち帰り使用するつもりです。
本当にポイント還元されるかどうかは後日検証してみます。
AMEXゴールド:スーパー・レストラン利用者に最強クラスの還元(おすすめ!)

AMEXゴールドは、外食・自炊中心の生活をしている人にとって最強クラスの還元率を誇ります。
具体的には、【米国内のレストラン&スーパーマーケット】で4倍ポイントという驚異的な設定。
私自身、外食やWhole Foodsでの買い物が多く、1年間で数万ポイントが自然に貯まりました。
さらに、毎月10ドルずつのUber Cashや、レストランクレジットもあり、実質年会費を大幅カット可能。
「生活費を払いながら旅行用マイルが貯まる」感覚は、このカードならではの魅力です。私はこのカードを最初に作り、ウェルカムオファーとして60,000MR獲得しました。
AMEXプラチナ:ラウンジ・旅行保険・高級志向の人向け

年会費$695と高額ながら、それをはるかに上回る価値を感じたのがこのプラチナカードです。
最大の魅力は、世界中の空港ラウンジが利用できる「Priority Pass」や「Centurion Lounge」へのアクセス。特にCenturion Loungeは他のラウンジよりワンランク豪華なラウンジとなっていますので是非体験してみてください。
また、旅行保険・キャンセル補償・ホテル上級会員ステータス(Marriott Bonvoy, Hilton Honors)などが付帯し、出張・旅行が多い人にとってはまさに「旅の相棒」と言える存在。
Uberや航空会社クレジットなど、年間数百ドル相当の特典を活用すれば年会費も十分回収可能です。
デルタAMEXゴールド:フライト利用でスカイマイルがザクザク

アメリカ国内・海外旅行の頻度が高い方におすすめなのが、デルタ航空と提携したAMEXゴールド。
【デルタ航空の利用でマイル3倍】【預け荷物1個無料】【優先搭乗】など、フライト関連の特典が満載です。
航空券の購入に関してはAMEXプラチナの方がお得です。しかしこのカードを持っているとマイルを利用した航空券の購入が15%引きになります。基本はプロパーカードでポイントをため、マイル使用時にこのカードを使用するようにしていました。
デルタAMEXブルー:お得感は大きくないが年会費無料の1枚

年会費がかからず、それでいてデルタマイルを貯められる優秀なエントリーカード。
デルタ航空の利用で2倍マイル、その他は1倍と、シンプルな設計ですが、マイルを蓄えておくためには最適の1枚。私は帰国直前にデルタゴールドからこちらに切り替えました。
ヒルトンAMEX:ホテル派に最適、ヒルトン特典で元が取れる

私が作成したのは、年会費無料の「Hilton Honors American Express Card」です。
無料ながらも、ヒルトン系列ホテルでの利用で7倍ポイント、レストラン・スーパーマーケット・ガソリンスタンドで5倍という、日常生活でもしっかりポイントが貯まる設計になっています。
さらに、カードを持っているだけでHilton Honorsのシルバーステータスが自動付帯し、
宿泊時にボーナスポイントや飲料サービスなど、ちょっとした優待を受けられるのも嬉しいポイントです。
私はこのカードで、日常生活の支払いを通じてポイントを積み重ね、
無料宿泊に交換できるほどのヒルトンポイントを1年でしっかり貯めることができました。
「ホテル利用が多いけれど年会費は避けたい」という方には非常におすすめの1枚です。
それぞれのカードのウェルカムオファーについてこちらを確認してください。時期によってもらえるポイントが増えることがありますので要チェックです。
クレカは何枚持てる?信用スコアと多重申請のリアル
アメリカのクレジットスコアとは?
アメリカでは、クレジットスコア(信用スコア)があらゆる場面で重要視されます。スコアはFICOスコアが最も広く使われており、一般的には300〜850の範囲で数値化されます。
このスコアは、
- クレジットカードの発行
- 賃貸契約
- 自動車ローンや住宅ローン
- 就職や社宅の審査
など、人生のあらゆる局面に影響します。
スコアを構成する主な要素は以下の通りです:
- 支払い履歴(Payment History):35%
- 利用率(Credit Utilization):30%
- クレジット履歴の長さ(Length of Credit History):15%
- 新規クレジット申請(New Credit):10%
- クレジットの種類(Credit Mix):10%
多重申請でもスコアに影響は少ない?
「クレジットカードを何枚も作るとスコアが落ちる」と心配される方も多いですが、実際は正しく使えばスコアに大きな悪影響はありません。確かにカード申請時に「ハードプル(信用照会)」が発生し、一時的に数ポイント下がることはあります。
しかしそれは一時的なもので、支払いを滞りなく続けていれば数ヶ月で回復します。
むしろ、複数のカードを作って利用枠が広がることで利用率が下がり、結果的にスコアが上がるというケースもあります。
私自身、1年間でAMEXを6枚作りましたが、毎月しっかり支払いを続けることで、クレジットスコアは順調に上昇しました。
支払い履歴・利用率が最重要!
カードを何枚持つかよりも大事なのは、「支払いを遅れないこと」と「利用率を30%以下に保つこと」です。
例えば利用可能額が1万ドルなら、利用額は3000ドル以下に抑えると良いとされます。
これを超えると「借金依存」と見なされてスコアに悪影響が出る場合があります。
ポイント・マイルの実際:どれだけ貯まる?どう使える?
各カードの還元率比較
アメリカのクレジットカードは、日本に比べて圧倒的に還元率が高いのが魅力です。例えば、私が保有しているAMEX系カードの一部を例に挙げると:
- AMEXゴールド:スーパーとレストランで 4倍ポイント
- AMEXグリーン:旅行・交通系で 3倍ポイント
- ヒルトンAMEX(年会費無料):ヒルトンで 7倍、日常支払いでも 5倍
- デルタAMEXゴールド/ブルー:デルタ航空利用でマイル大量獲得、通常利用でも 1~2倍
日常的に支払いを集中させれば、月に数千ポイント、年間で数万ポイント貯めることも現実的です。
特にアメリカは「外食文化」なので、AMEXゴールドのレストラン4倍は相性抜群でした。
マイル/ポイントの賢い使い方
貯めたポイントやマイルは、以下のような使い道があります:
- 航空券への交換(ANA、JAL、デルタなど)
特典航空券や座席アップグレードに活用可能。結局、航空券への交換が一番レートが良いので私はほとんどのポイントをこれに使いました。 - ホテル宿泊(ヒルトン系列)
私はヒルトンAMEXのポイントで1泊200〜300ドルのホテルを無料宿泊したことがあります。滞在費がかさむアメリカでは、ホテル系カードの恩恵は大きいです - ステートメントクレジット(Statement Credit)
AMEXポイントは、支払い明細から現金のように差し引ける使い方も可能。ただし航空券やホテルに比べると「還元価値」はやや低めなので使ったことはありません。 - AmazonやAppleなど提携先での支払い
一部ECサイトでポイントを「1ポイント=1セント」として使えることもあります。利便性はあるが還元率は低いためおすすめはできません。
クレジットカード戦略:おすすめ初手とステップアップ
留学生・駐在員が最初に持つべきカード
アメリカに渡ってすぐのタイミングでは、クレジットヒストリーが「ゼロ」の状態。多くのクレジットカード会社はこの状態を信用不足とみなすため、いきなりAMEXやChaseのようなメジャーカードを取得するのは困難です。
そこで、日本人の多くが選ぶのが ANA USAカード や JAL USAカード。これらは SSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)なしでも申請可能で、JCBや提携会社を通じて発行される「日本人向けの入門カード」です。
私はこのルートを選び、ANA USAカードで最初の6ヶ月間、地道にクレジットヒストリーを育てました。
ANA USA / JAL USA → AMEXへ切り替えるタイミング
ANA USAやJAL USAカードは「作りやすさ」はある一方で、還元率が非常に低い(1%未満)、付帯特典が乏しいなど、長期で使い続けるには物足りなさを感じます。
そこでおすすめなのが、半年〜1年を目安にアメリカ発行のAMEXへ移行するという戦略です。
私の場合は、渡米から半年後にAMEXゴールドとデルタAMEXゴールドを申請・取得しました。
このときの審査通過の鍵は、ANA USAカードでのクレジット履歴の積み重ねと、定期的な支払い(携帯代、スーパー、光熱費など)の記録だったと思います。
とくにAMEXは、SSNがなくても申請できるチャンネル(Global Card TransferやITIN申請など)があるため、留学生・駐在員にとって「最初の本格カード」として非常に適しています。
将来的にChaseなども狙えるようにスコアを育てる
Chase(例:Sapphire Preferred / Reserve)は特典が非常に優れている一方で、審査が非常に厳しいのが特徴。特にSSNがない場合は、基本的に申請が通りません。
だからこそ、「いずれChaseに挑戦したい」と思っている人ほど、クレジットヒストリーの初期育成とスコア管理が重要になります。
具体的には:
- 支払い遅延ゼロ(100%オンタイム)
- クレジット利用率30%以下
- 複数カードを半年〜1年おきに追加して、クレジットラインを増やす
これらを意識していくと、スコアが700台前半〜中盤に乗ってきた時点で、Chaseの申請も視野に入ってきます。
私自身、いまだにChase Sapphireは取得できていませんが、AMEX6枚を使ってスコアを育てている段階です。今後の申請に向けて、地道に準備を続けています。
クレジットカードは「短期勝負」ではなく、長期的な信用の積み重ねがすべて。
最初の一歩を踏み出し、2枚目、3枚目と戦略的にステップアップしていくことが、アメリカ生活をより快適に、そしてお得にしてくれるはずです。
AMEXを中心に広げた1年の感想と今後の目標
自分にとって一番使いやすかったカード
1年間で6枚のAMEXカードを使ってみて、最も「生活に直結して得した」と感じたのは、文句なしでAMEXゴールドでした。
理由はシンプルで、スーパーとレストランの4倍ポイントが強すぎる。
特にアメリカでは食費の出費が大きいため、生活必需品でポイントがザクザク貯まるのは圧倒的にありがたかったです。
さらに、定期的に配布されるDining CreditやUber Creditも確実に元が取れました。
旅行の場面ではプラチナの特典も良かったですが、「毎日の支出に強い」という点でゴールドは間違いなく一番実用的でした。
次に作りたいカード
今後の目標はズバリ、Chase Sapphire Preferred(もしくはReserve)の取得です。
旅行系のポイント(Chase Ultimate Rewards)はANAマイルやHyattへの移行先としても非常に価値が高く、AMEXと組み合わせれば相当幅広い旅行戦略が取れます。
現在はまだSSNがないため申請は難しいですが、ITIN取得後やSSN発行の機会があれば是非とも狙ってみたいカードです。
この1年間で、アメリカのクレジットカードの奥深さと、戦略的に動く面白さを実感しました。
何も知らなければ損をする世界ですが、ちょっと調べて、ちょっと考えて、行動するだけで生活がどんどんお得になるのは本当に驚きです。
今後も新しいカードを取り入れつつ、自分のライフスタイルに合ったクレジット戦略を構築していきたいと思います。
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