アラスカ旅行記:夏の大自然を巡る鉄道旅

旅行

こんにちは!「夏にアラスカ?」と驚かれることもありますが、私は2024年の夏、ずっと憧れていたアラスカへ旅に出ました。きっかけは、あるニュース記事でした。2024年は太陽フレアの活動が非常に活発な年で、例年よりも広範囲でオーロラが観測されるかもしれない——そんな情報を目にして、「もしかしたら8月でもオーロラが見られるかも?」と淡い期待を抱いたのが始まりでした。

加えて、夏のアラスカは短いけれど本当に美しい季節。広大な大地に広がる緑、雄大な山々、そして運が良ければ野生動物との出会いもあるという、大自然を全身で感じられる時期です。寒さが厳しい冬とは違い、比較的穏やかな気候の中でアラスカの魅力を存分に味わえるのも、夏ならではの魅力。

そんなわけで、「夏の大自然×もしかしたらオーロラ」というちょっと欲張りなテーマで、アンカレッジからデナリ、フェアバンクスまで、鉄道を使って北上する旅を計画しました。このブログでは、その旅の記録と、これからアラスカを訪れる方へのヒントをシェアしていきます。

旅のプラン概要と時期

今回のアラスカ旅は、2024年8月中旬に9日間の日程で実施しました。旅のルートは、アラスカの南部に位置するアンカレッジを起点に、アラスカ鉄道を利用してデナリ国立公園、そしてアラスカ内陸部の都市フェアバンクスへと北上するルート。大自然と鉄道の旅を両方楽しめる、王道かつ理想的なプランです。

ざっくり旅程
1日目:アラスカ・アンカレッジ到着
2日目:氷河ツアー参加
3日目:フェアバンクス市内散策
4日目:アラスカ鉄道:アンカレッジ→デナリ(約7時間半)
5日目:デナリ国立公園散策ツアー
6日目:アラスカ鉄道:デナリ→フェアバンクス
7日目:チェナ温泉滞在
8日目:フェアバンクス市内散策
9日目:アトランタ帰着

この時期のアラスカは「白夜」こそ終わりかけているものの、夜は22時ごろまで明るく、アクティビティにたっぷり時間を使えるのが嬉しいポイント。また、夏といっても涼しく、日本の猛暑を逃れて快適に過ごせました。

そして何より、アラスカ鉄道の旅は車窓からの景色が圧巻。移動時間そのものが旅のハイライトになりました。

アンカレッジ:出発点の街をぶらり探索

まずはアラスカ旅のスタート地点、アンカレッジは、都市と自然が程よく調和した落ち着いた街。大自然の玄関口として、多くの旅行者がここを起点に旅を始めます。私も例に漏れずこの街に降り立ち、アラスカの空気を全身で吸い込むような気持ちで旅が始まりました。

感動の26氷河クルーズへ

アンカレッジ滞在中の一番のハイライトは、26氷河クルーズツアーへの参加。とはいえ、出発地点はアンカレッジではなく、鉄道でさらに移動する必要がありました。でもその移動時間すら楽しい思い出に。車内では偶然隣に座ったアメリカ人の老夫婦と会話が弾み、アラスカの自然や旅行の話で盛り上がりました。気づけばあっという間に到着。

クルーズではその名の通り、次々と姿を現す巨大な氷河に目を奪われ、さらにはラッコ、アシカ、そしてさまざまな海鳥たちとの出会いも。手つかずの自然がそのまま残るアラスカならではの景観に、心から感動しました。

氷河が海に崩れ落ちる景色と音は圧巻です!

街歩きと地ビールと

アンカレッジに戻ってからは、街歩きを楽しみました。印象に残ったのはアンカレッジ・ミュージアム。アラスカの歴史や先住民族の文化を知ることができる展示が充実していて、旅の背景知識がぐっと深まりました。

夜は49th ステート・ブリュワリーで地元のクラフトビールを堪能。地元の人で賑わう店内は居心地が良く、旅疲れの一日を締めくくるには最高の一杯でした。

忘れられないアラスカのカニ体験

そしてもう一つ、忘れられないグルメ体験がOrsoというレストランで味わったアラスカ産の巨大なカニ。そのサイズにまず圧倒され、価格はなんと1皿130ドル!少し躊躇しましたが、せっかくの旅だと気合いを入れてオーダー。身はぎっしりと詰まっていて甘く、溶かしバターにディップして食べるスタイルはシンプルながら最高の贅沢。旅の思い出を語るたびに、このカニの味が蘇ります。

鉄道で行くデナリ:大自然に包まれる時間

アンカレッジから約7時間半。アラスカ鉄道に揺られて向かった次の目的地は、デナリ国立公園。広大な原野と標高6,190mのデナリ山(旧称マッキンリー山)に囲まれた、まさに手つかずの大自然が広がる場所です。

雄大な景色とともに走るアラスカ鉄道の旅

アラスカ鉄道の座席には2つのランクがあり、アンカレッジ〜デナリ間はスタンダードクラスを選択しました。広々とした座席に大きな窓があり、車窓からはどこまでも続く森林や川、そして遠くにそびえる山々。7時間半の長旅ながら、まったく退屈することはなく、むしろ景色に見惚れているうちに時間が過ぎていたという感覚でした。

車内には軽食販売もあり、スナックやドリンクを片手にゆったりと過ごせるのも魅力の一つ。途中、何度か動物の目撃情報がアナウンスされ、乗客が一斉に窓の外を覗くという一体感のあるシーンも印象的でした。

Wilderness Tourで出会うアラスカの野生

デナリでは、人気のWilderness Tour(ウィルダネスツアー)に参加しました。このツアーは、ガイド付きのバスに乗って国立公園内を走りながら、野生動物を探すというもの。運が良ければムースやカリブー、オオカミ、グリズリーなどに出会えるとあって、参加前からワクワクが止まりませんでした。

実際のツアーでは、ムース、キツネ、そしてグリズリーなど多くの動物たちと出会うことができました。特にグリズリーに遭遇した時は、バスの中が一気にざわつきました。ガイドさんによると「今シーズン、グリズリーを見られたのは今日が初めて」とのことで、本当にラッキーだったようです。

ただ“何もしない”贅沢な時間

デナリでは、基本的に娯楽や観光スポットがあるわけではありません。Wi-Fiも通じにくく、夜になれば街灯もほとんどないような場所。でも、だからこそ感じられる**“大自然の中で何もしない贅沢”**がここにはあります。

木々のざわめきや遠くの雷鳴、どこまでも続く山並みと空。そのスケールの大きさにただ身を委ねる時間は、日常の忙しさを忘れさせてくれる特別な体験でした。

フェアバンクスで過ごす静かな夜:温泉とオーロラを求めて

デナリでの自然体験を経て、旅の終盤はアラスカ北部の街、フェアバンクスへ。ここでも私たちはアラスカ鉄道を利用しました。今回はちょっと贅沢に、アラスカ鉄道のハイグレードクラス「デナリスター」での移動です。

地元ビール片手に楽しむ鉄道旅

デナリスターにはアルコール券が2枚ついており、夫婦で4杯分の地元ビールを堪能しました。移動中とは思えない贅沢な時間です。また、夕食もセットになっており、他の乗客と相席でいただきました。

この時同席したのは、アメリカのミリタリー関係でアラスカに滞在しているという方。デナリスターに仕事で乗るという話には驚きましたが、アメリカ社会における軍関係者へのリスペクトを感じる興味深い時間でもありました。

オーロラは見えず、だが旅は続く

フェアバンクスといえばオーロラ観測の名所。私たちも2夜にわたって挑戦しましたが、あいにくの曇天で今回はオーロラを見ることができませんでした

とはいえ、この「見られなかった」経験が、のちにフィンランドやカナダ・イエローナイフへのオーロラハント旅行へとつながっていく原動力にもなりました。旅には“成功”も“未達成”も、すべてに意味がありますね。

チェナ温泉で過ごす静かな時間

オーロラ観測地として有名なチェナ温泉にも訪れました。ここは水着着用スタイルの屋外温泉で、硫黄の香りが漂い、日本の温泉に近い雰囲気。8月とはいえ、夜は冷え込むフェアバンクス。温泉に浸かる時間は、体も心もじんわりと温めてくれました。

チェナ温泉周辺には観光施設などがほとんどなく、レンタカーを使わずに訪れる場合は、施設内でゆったりと過ごすのが基本。施設内にはレストランがひとつあり、そこそこの価格ながら料理のクオリティも良く、満足できました。

氷の世界「アイスミュージアム」

施設内にあるアイスミュージアムも見どころのひとつ。室温は常に氷点下で、すべてが氷でできた幻想的な空間です。中では、氷のグラスに注がれた名物・アップルマティーニを楽しむこともできます。極寒の空間で飲む一杯は、ちょっとした非日常体験でした。

フェアバンクス市内散策とレインディアとのふれあい

チェナ温泉を満喫した後は、フェアバンクス市内で過ごす時間へ。ですが、正直なところ、アンカレッジと比べてフェアバンクス市内は少し活気に欠けており、私たちにとっては少し時間を持て余すことになりました。

レインディアとお散歩ツアー

滞在の最終日には、レインディア(トナカイ)と触れ合うツアーに参加。ツアーは約2時間で、そのうち半分は寒空の下でトナカイの生態についての説明を聞くスタイル。トナカイたちは人懐っこく、触れ合えるのは面白かったですが、寒さもあり、正直なところ説明を受けている時間はちょっとしんどかったというのが本音です。

その後は特に予定もなく、市内をぶらぶらしましたが、お土産屋もあまり開いておらず、人通りも少なめ。観光地としてのフェアバンクスは「自然やアクティビティを楽しむ場所」ではありますが、「街歩き」を目的にすると少し物足りなさを感じるかもしれません。

アラスカ旅を終えて

今回の旅では、アラスカならではの大自然の魅力を全身で感じることができました。広大な原野、どこまでも続く山々、野生動物との出会い、そして氷河を間近に見る体験。どれもが日常とはかけ離れたスケールで、自然の圧倒的な力と美しさに心が洗われるような時間でした。

オーロラこそ見ることはできませんでしたが、だからこそ、この体験が「いつか必ず見たい」という気持ちをさらに強くしてくれました。この旅をきっかけに、次はフィンランド、そしてイエローナイフへと、オーロラを求める旅が続いていく予定です。

アラスカは「観光地」というより「体感する場所」。都会的な便利さや賑わいはありませんが、自然との対話、そして自分自身と向き合う時間を過ごしたい方にはぴったりの場所だと思います。

このブログが、これからアラスカへの旅を考えている誰かの参考になれば嬉しいです。そして私自身も、これからのオーロラ旅でまた新しい感動に出会えることを楽しみにしています。

本ブログでは他にも旅情報をまとめています。おすすめ観光スポットだけでなく賢く旅を楽しむ方法やお得情報も配信していますので是非ご覧ください。
カナダ・イエローナイフ編
バハマ編
アメリカ・イエローストーン国立公園編

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