こんにちは!現在、米国MBAに在籍している旅するたぬきです。MBAでは、毎日膨大な情報に触れ、意思決定を迫られます。しかし、そのすべてを深掘りする時間はありません。だからこそ、「何が本当に重要か?」を見極めるスキルつまりクリティカルシンキングのスキルが不可欠です。今回紹介する『イシューからはじめよ』(安宅和人著)は、まさにその核心に迫る一冊。問題解決のアプローチを根本から見直し、労力を最大限の成果につなげるための「考える力」を鍛える本です。
私はMBAの最初の学期が終わったタイミングで本書を購入しました。MBAでの学びを通じて、本書の考え方がいかに実践的であるかを実感しました。特に、ケースディスカッションやコンサルティングプロジェクト、就職活動、さらには日常の意思決定においても応用可能なフレームワークが詰まっています。今回は、MBAならではの視点を交えながら、この本から得た学びをシェアしたいと思います。
「イシューを見極める」ことがなぜ重要なのか?
MBAでは、毎日のようにケースディスカッションがあります。企業の戦略課題や市場動向について議論し、意思決定を行うわけですが、最も重要なのは「どこに焦点を当てるか」です。
例えば、「ある企業が市場シェアを伸ばせない理由を分析せよ」というケースがあるとします。多くの人は、
- 広告戦略が悪いのでは?
- 競合の価格設定が影響しているのでは?
- 流通チャネルに問題があるのでは?
と、いろいろな要因を考え始めます。しかし、それでは分析に時間がかかる上に、本当に意味のある結論にたどり着けるとは限りません。
『イシューからはじめよ』では、こうした無駄を省くために、「本当に解くべき問題=イシュー」を特定することの重要性が強調されています。MBAの授業でも、教授陣は「まず、どの問いに答えるべきか?」を常に問いかけます。適切なイシューを設定することで、限られた時間内に最大のインパクトを出す意思決定が可能になるのです。
これは、コンサルティングプロジェクトや実際のビジネスでも同じです。クライアント企業の課題を解決するとき、無駄にデータを集めるのではなく、「何が本質的な論点なのか?」を最初に決めることで、効果的な解決策を見出せます。
MBAにおける「仮説思考」との関係
『イシューからはじめよ』では、イシューを特定したら、すぐに情報収集を始めるのではなく、「仮説を立てて検証する」という思考法が推奨されています。
これは、MBAの授業やコンサルティングプロジェクトで常に求められるスキルです。特に、戦略系の授業では、「データを集めてから考えるのではなく、まず結論の仮説を作り、それを検証するデータを探せ」と言われます。
例えば、「アメリカのマヨネーズ市場は縮小しているのか?」という問いがあったとします。
普通なら、膨大な市場データを集めることから始めるかもしれません。しかし、それでは時間がかかりすぎます。
仮説思考を使えば、例えば「健康志向の高まりが影響しているのでは?」という仮説を先に立て、その仮説を裏付けるデータ(オーガニック食品の市場成長率、低脂肪商品の売上など)だけを集めれば、効率的に結論にたどり着けます。
特にコンサルティングファームや投資銀行への就職を目指す人にとって、仮説思考は必須スキルと言われています。ケース面接でも「とにかくデータを見たい」ではなく、「こういう要因が主要因だと思うので、このデータを見て検証したい」というアプローチが求められます。
アウトプットの質を高める
本書では、イシューを見極め、仮説を立てた後のプロセスとして、「アウトプットの質を高める」ことの重要性も語られています。
MBAでは、プレゼンやレポート作成が非常に多いですが、教授やクラスメートが求めているのは「データの羅列」ではなく、「鋭い洞察と、シンプルな結論」です。
例えば、ある授業で「Netflixの成長戦略を分析せよ」という課題が出たとき、ただ市場データを並べるだけでは評価されません。「Netflixの成長を決定づける最重要要因は何か?」を特定し、それを端的に説明できるかが鍵になります。
本書では、アウトプットの質を上げるために、以下のポイントが強調されています。
情報の「削ぎ落とし」: MBAの課題でも、教授は「結論から言え」と口酸っぱく言います。不要なデータや細かい説明は削ぎ落とし、核心だけを伝えることが重要です。
ストーリーラインを意識する:プレゼンやレポートでは、単なるデータの羅列ではなく、論理的なストーリーを持たせることが求められます。本書でも、「最も伝えたいメッセージを最初に決め、それを補強する形でデータを使う」ことが推奨されています。
MBAの授業では、このスキルを徹底的に鍛えられるため、本書の内容と実践がリンクする部分が非常に多いと感じました。
イシューから始めよ Takeaway
「イシューからはじめよ」は、単なる思考法の本ではなく、「いかに限られた時間で、最大の成果を出すか」を教えてくれる実践的な一冊です。
特にMBAの環境では、以下のような点で役立ちます。
- ケースディスカッションの質を上げる(本質的な論点を特定し、無駄な分析をしない)
- コンサルティングプロジェクトで実践できる(クライアントの問題を最初に正しく設定し、効率的に解決策を導く)
- 就職活動のケース面接でも有利になる(仮説思考とロジカルシンキングを強化できる)
私もMBAプログラムが始まる前に一読しておけば、より大きな学びを得ることができたのにと思っています。本書の考え方を身につけることで、MBAでの学びがより実践的になり、卒業後のキャリアでも大きな武器になるはずです。もちろん、MBAに行く予定の無い方も、普段の仕事や就職活動に必要となる考えが満載の一冊です。
興味を持った方は、ぜひ読んでみてください!そして、読んだ感想や学びをシェアしてもらえると嬉しいです。ではまた!
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